口から内視鏡検査をして「苦しくてもうこりごり」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
鼻から挿入する内視鏡はこうしたことがほとんどありません
風邪をひいたときの診察で、舌の奥をヘラのようなもので押されて「オエッ」となった経験をしたことがあると思います。これを咽頭反射(いんとうはんしゃ)といいますが、口から内視鏡を入れる場合は、多少なりともこうした咽頭反射が起こります。これが辛くて、「苦しくてもうこりごり」という経験をお持ちの方も多いと思います。
鼻から入れる内視鏡(経鼻内視鏡:けいびないしきょう)の場合は舌の根元に触れないので、ほとんど吐き気をもよおすことなく検査することができます。
また、口から内視鏡を挿入する場合は口がふさがってしまうために検査をしているときは話ができませんが、鼻からの場合は検査をしている医師と「痛くありませんか?」「はい、大丈夫です」などというやりとりができます。気になったことをその場で確認できるので安心です。
鼻からの内視鏡検査の場合、鼻腔(びくう)への局部麻酔を行いますが、麻酔から覚めるのも早く、ほどなく日常生活へ復帰できます。通常の口からの場合、1~2時間は食事ができませんが、鼻からの検査の場合は検査終了後30分~60分で、水を飲んだり食事をしたりすることができます。原則として眠くなる注射を行わないので、麻酔が覚めて体の状態が戻れば車の運転もすぐにできます。